社長インタビュー

すべてのどうぶつと人の幸せを目指し、健康寿命延伸に向けた予防を推進することで新たな保険のかたちを創造します。 代表取締役社長 小森 伸昭

2017年7月

1.はじめに

当社におきましては、2015年度の決算を以って設立以来初めてとなる株主様への配当を実施することができましたが、2016年度決算におきましても配当を継続することとしました。今後も株主やご契約者、動物病院の先生方をはじめとするステークホルダーのみなさまのご期待に沿えるよう、より一層の努力を重ねてまいる所存でございますので、引き続きご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2.2016年度を振り返って

2016年度において取り組みました当社グループの重点施策と業績についてご説明いたします。

1つ目の施策は、「ペット保険の健全な成長」です。当社グループの中核子会社であるアニコム損害保険株式会社(以下 アニコム損保)においては、精力的な営業活動に注力してきており、保有契約数は前年同期比で8.5%増の635,670件と、順調に増加しております。また、2016年11月には保険の引受対象動物を8種類追加(合計13動物種)し、これらの契約件数も順調に伸ばしております。E/I損害率においては58.9%となり、引き続き改善が進みました(前年同期比で1.2pt改善)。一方、既経過保険料ベースの事業費率は、規模の経済効果に加え経費管理の徹底、システムを中心とした業務改善等を行っているものの、本社移転および予防に向けた投資等により32.1%と前年同期比で1.0pt上昇いたしました。この結果、両者を合算した既経過保険料ベースコンバインド・レシオは、前年同期比で0.2pt改善した91.0%となり、成長に向けた投資継続フェーズにおいても、利益構造の改善が進みました。

2つ目は「予防による新たな価値提供」です。「どうぶつと飼い主の健康寿命延伸」を目指し、これまで当社グループに蓄積された保険金請求データやカルテデータ等を科学的・疫学的に分析することで、動物の疾病に関する予後改善、再発防止、未然防止に役立つ施策を展開すべく、グループ全体で多角的な研究と新規事業開発を積極的に行っております。あわせて、設備投資の強化と専門的な人材を幅広く獲得することで、体制整備が着実に進みました。

これらの施策の結果、保険引受収益28,068百万円(前連結会計年度比10.6%増)、資産運用収益504百万円(同26.8%減)などを合計した経常収益は28,978百万円(同9.3%増)となりました。一方、保険引受費用18,967百万円(同9.0%増)、営業費及び一般管理費7,273百万円(同8.6%増)などを合計した経常費用は26,606百万円(同9.1%増)となりました。その結果、経常利益は2,372百万円(同11.4%増)となりました。また、「どうぶつと飼い主の健康寿命延伸」に向けたイベントとして取り組んでおりましたアニコパーク西新宿が終了したことを含め、減損損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,558百万円(11.4%増)となりました。

3.2017年度の取組み

2017年度におきましては、ペット保険を一気に拡大させ、中期的な収益増大、利益獲得に向けた足固めに注力いたします。そのために、以下の重点施策に取り組んでまいります。

1つ目の施策は、「ペット保険の収益力向上」です。アニコム損保におけるペット保険の保有契約件数は63万件を超えておりますが、当社のみならずペット保険自体の普及率は必ずしも高いとは言えず、成長途上の市場であると認識しております。また、ペットの飼育頭数が逓減する中、ペット保険市場は厳しい競争環境となっており、今後も更なる競争が続くことが予想されます。
今後、動物の健康保険制度として社会に広く認知・活用されるよう、魅力ある保険を提供し続けるとともに、他社の保険商品との優位性を打ち出していくことが急務であると考えております。そのため、これまで最重要ターゲットとしてきたペットショップチャネルにおける契約獲得に並行し、すでに日本で飼育されている約2,000万頭のペットをターゲットとした一般チャネルにおけるWEB等の直販チャネルの拡大や、ペットショップ以外のチャネルの開拓といった規模拡大に向けた方針に舵を切ります。また、保険金の適正化や生活習慣に関する予防の取組みを拡充することで、中期的には50~60%前後での適切な損害率コントロールを図ってまいります。

2つ目は「予防に向けた取り組み強化」です。
さらに、アニコム パフェ株式会社の「アニコムレセプター」を通じた診療データや、アニコム損保における保険金請求データなどのビッグデータを活用し、次世代予防法の確立を目指すとともに、保険金の削減に繋げていきます。特に、遺伝病撲滅に向けた活動を本格化させることで、疾病関連遺伝子の解析等の検査事業の展開や遺伝病フリーに向けたブリーディング支援を行うとともに、共生細菌をキーにした発症予防等の研究を継続し、事業化を目指します。

4.ペットの生涯すべてと接するインフラプレーヤーとして

現代社会において、わたしたち人間とともに暮らす動物は「家族の一員」であることはもちろん、隣に寄り添うだけで心の豊かさをもたらし、明日への大きな活力を与えてくれる存在となっています。それはまさに、わたしたち人間にとって「心の発電所」とも言える存在です。
当社グループでは、そのような家族であり心の発電所でもある動物がケガや病気をせず、長く健康に幸せに暮らせる社会を創り上げることは、わたしたち人間に長く活力を与え、社会の発展に貢献するものであると捉え、すべての命の幸せを追求してまいります。
そのためにも、単なる保険会社グループではなく「ペットの生涯すべてと接するインフラプレーヤー」となることで、動物業界における川上から川下までを発展的に繋ぐよう取り組んでまいる所存です。

今後もペット保険事業の成長及び動物の健康寿命延伸に向けて、グループ役職員一丸となって、より一層の努力を重ねてまいる所存でございますので、引き続きみなさまのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。