社長インタビュー

すべてのどうぶつと人の幸せを目指し、健康寿命延伸に向けた予防を推進することで新たな保険のかたちを創造します。 代表取締役社長 小森 伸昭

 平素より、アニコムの保険にご契約頂いているお客さま、株主の皆さま、ビジネスパートナーの皆さまにおかれましては、ご支援を賜り誠にありがとうございます。

 アニコムは2000年7月に創業し、その後も皆さまに支えて頂きましたお陰で、今年、創業20周年を迎えました。こうして迎えた2020年は、年初から全世界において新型コロナウイルス感染症が流行し、先行きが不透明な状況となっており、企業にとっても変化に対応する力が求められています。我々は、コロナ禍により加速したアフターデジタルの時代に向けて、その変化に対応し、お客さま等から求められるサービスを提供し続け、持続的な成長を遂げていきたいと考えています。

創業20周年を迎えて

 20年前の創業時はたった3名の企業でしたが、今では665名のアニコムファミリーが働く企業となり、100名以上の獣医師をはじめ、動物看護師、弁護士、アクチュアリー(保険数理士)、データサイエンティスト、薬剤師、研究者、システムエンジニアに加え、ドッグトレーナー、デザイナー、フォトグラファーなど、普通であれば一緒に働くことのない多様な人材が働き、一つの企業グループを形成しています。そして、こうしたそれぞれの専門性を持った多様なアニコムファミリーが、アニコムの戦力の源泉です。

 アニコムは、こうしたファミリーに支えられ、ネット領域、遺伝子や共生細菌等の科学領域、再生医療も含めた小動物臨床現場への展開、国内最大の動物病院カルテ管理、国内最大の生命体の健保(ただし加入者は今のところヒト以外ですが)、どうぶつ業界の職業紹介、生命系専門の投資会社、アジア展開等と、どうぶつ業界全体を巻き込んで、構造変革を起こしていくようなビジネスモデルを実行できる体制が整ったと考えています。我々は、今、極めて珍しい、おそらく世界でも類を見ないような多様性、手幅をもったグループ企業体を形成しています。この千載一遇のチャンスを活かすべく、個人だけの努力では成し遂げることが困難な事柄を、個々の努力を組み合わせることで実現していきたいと考えています。

第2期創業期について

 2019年度からを第2期創業期として位置づけ、同年からスタートする「中期経営計画2019-2021」を策定するとともに、ペット保険のリーディングカンパニーとしての地位をより強固なものとするための取組みを開始しています。

 具体的には、これまでは、どうぶつに生じた病気やケガに対して治療や保険金を給付するサービスを適切に提供することで、日本国内においてペット保険のサービスを普及・促進させ、国内ペット保険のリーディングカンパニーとしての地位を確立することに尽力してきました。今後は、これまでのペット保険事業において得られた、どうぶつ種、年齢や性別ごとの病気やケガのデータ・画像などに加えて、遺伝子情報などの膨大なデータを活用し、これまでのサービスを一層、発展させていくことで、創業時から掲げる“予防型保険会社グループ”を実現し、「涙を拭く会社」から「涙を減らし、笑顔を生みだす会社」に成長を遂げていきたいと考えています。以下、現在の具体的な取組みを3つご紹介します。

遺伝病撲滅

 1つ目の取組みは、遺伝病撲滅に向けたブリーディングサポート事業です。どうぶつの中には、遺伝病で苦しむ品種もいます。こうしたどうぶつに遺伝子検査を行い、検査結果に基づく適切なブリーディングサポートを行うことで、避けられる遺伝病を避け、新たな遺伝病の発症を予防しています。

 2つ目の取組みは、2018年12月からスタートしている、どうぶつの腸内フローラ測定サービスです。これは、ヒトでも話題の、腸内フローラ測定によって健康度を測ろうとするものです。このサービスにより、どうぶつの腸内健康年齢や病気のなりやすさを独自の指標から推定するとともに、測定結果によっては健康診断をおすすめし、病気の予防・早期発見に繋げて、日々の健康をサポートしています。

 3つ目の取組みは、予防医療と先進医療を医療現場で提供していくものです。アニコムでは、どうぶつ医療分野における基礎研究の推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立に向けた取組み等を行っています。こうした取組み等を通じて得られた予防医療や先進医療の知見を実際の医療現場で提供し、発症してしまった病気等への診療を行っています。

 これらの取組みのほかにも、保有するデータや各種検査を活用した病気やケガの予防に繋がる新たなフードやデバイスの開発などにも取り組んでいきたいと考えています。


予防医療と先進医療を医療現場で提供

新型コロナウイルス感染症について

 2020年は、年初から全世界において新型コロナウイルス感染症が流行し、国内においても、外出の自粛など多くの努力が求められてきました。しかしながら、こうした多くの努力の中で、人と人との距離が離れていき、直接顔を合わせて話すことも減らさざるを得ず、久しぶりに会えてもマスク越しで2メートルと、相互の繋がりまでもが希薄化してしまうのではないか、いつの間にかウイルスとともに孤独も蔓延していくのではないか、といった状況が生じています。

 私たちにとって、孤独はとても辛い試練であり、新型コロナウイルス感染症との戦いは、「孤独との戦い」であるとも言えます。そうした中で、ただ、もしそこにシッポの生えた小さな愛があったなら。温かくて柔らかなかけがいのないその愛を、私たちは何としてでも守り抜こうと思うでしょう。このクリクリお目々の小さな愛は、私たちから孤独を遠ざけ、塞ぎがちになる心を奮い立たせてくれる大きな力を秘めています。

 そして、私たちアニコムファミリーも、それぞれの小さな家族の大きな愛を受けて、新しい一歩を踏み出しました。新型コロナウイルス感染症が流行する中でも、ペット飼育者の間では、「私が感染したら、この子はどうすれば良いの?」という不安が広がり、そうした不安の声がアニコムに多数寄せられました。もしかしたら、飼い主さまに満足していただけないかもしれず、ご批判を受けるかもしれない。それでも、私たちアニコムは、小さな小さな一歩ですが、少しでも皆さまの安心につながるようにと“#stayanicom プロジェクト”をスタートさせました。

#stayanicom プロジェクト

 “#stayanicom プロジェクト”とは、ペット飼育者が新型コロナウイルスに感染し、病院や隔離施設等で生活することとなった場合に、その間、アニコムがどうぶつを無償でお預かり、または訪問し、獣医師を中心としたアニコムファミリーがお世話する取組みです。2020年4月10日からスタートし、これまでの間で、犬を26頭、猫を12頭、うさぎ1羽の合計39頭をお預かりするとともに、お預かりすることが難しかったハムスター1頭については、飼い主様のご自宅へ訪問してお世話を行いました(7月27日現在)。

 この取組みは、アニコムファミリーから出てきたアイデアでした。私は、新型コロナウイルス感染症が拡大するなかでも、アニコムファミリーが一丸となって、こうした取組みを実現してくれたことにとても感謝しています。また、こうした一人一人の自発的な行動を、これからもアニコムのDNAとして根付かせていきたいと思っています。

 私たちアニコムファミリーはみんなどうぶつが大好きです。こうした「無償の愛」を提供してくれる存在と一緒に安心して暮らしていける社会を、アニコムファミリーでつくっていきたいと考えています。

SDGsへの取組み

 2019年度も、未だに国内で約3万8千頭のどうぶつの殺処分が行われています。また、どうぶつ業界では、どうぶつの不適切飼養や高齢者等による高齢どうぶつの介護、自然災害時におけるどうぶつとの同伴避難などの社会的課題が存在しています。

 こうした社会的課題に対し、例えば、保護された犬や猫を、効率的かつ効果的に新しい飼い主へ繋ぐ仕組みを作ることで、どうぶつの殺処分ゼロを目指すとともに、地震や大雨など自然災害が多発する日本において、“ペット飼育者が一時的にどうぶつの飼育が困難になった場合などでも、自治体等と連携し、#stayanicom プロジェクト”のように、アニコムがどうぶつをお預かりし、その大切ないのちを守るサポートを行うことにも取り組んでいきたいと考えています。

 アニコムは、ペット保険業界のリーディングカンパニーであるとともに、どうぶつ業界のインフラプレーヤーとして、人とどうぶつが共生する社会の実現に向けて、これらの社会的課題を解決するための取組みを行い、持続的な社会の実現に貢献していきたいと考えています。

2020年 7月

代表取締役社長 小森 伸昭