社長インタビュー

すべてのどうぶつと人の幸せを目指し、健康寿命延伸に向けた予防を推進することで新たな保険のかたちを創造します。 代表取締役社長 小森 伸昭

2018年6月

1.はじめに

当社におきましては、2015年度決算における配当開始以来、株主のみなさまへの配当を継続することといたしました。今後も株主のみなさまのご期待に沿えるよう、より一層の努力を重ねてまいる所存でございますので、引き続きご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2.2017年度を振り返って

2017年度において取り組みました当社グループの重点施策と業績についてご説明いたします。

1つ目の施策は、「ペット保険の収益力向上」です。
当社グループの中核子会社であるアニコム損害保険株式会社(以下、「アニコム損保」)では、精力的な営業活動に注力しており、保有契約数は698,566件(前連結会計年度末から62,896件の増加・同9.9%増)と、順調に増加しております。一方、E/I損害率は加齢に伴う保険金支払増加により59.2%と前年同期比で0.3pt上昇し、既経過保険料ベース事業費率は、経費管理の徹底やシステムを中心とした業務改善等を行っているものの、NB営業強化による代理店手数料の増加やペット保険規模拡大に向けた投資等(WEB広告強化等)により35.2%と前年同期比で3.1pt上昇いたしました。この結果、両者を合算したコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)は前年同期比で3.4pt上昇し94.4%となりましたが、当連結会計年度については成長に向けた投資フェーズと位置付けており、計画通りの決算となりました。

2つ目は「予防に向けた取り組み強化」です。
これまでに投資を進めてきた人材・設備・データを活用し引き続き取り組んでおり、特に遺伝病撲滅に向けて、遺伝子検査事業の立ち上げを進めました。あわせて、遺伝病フリーに向けたブリーディング支援や、共生細菌をキーにした発症予防研究、予防特化型の病院運営など、動物の健康寿命延伸に向けた各種施策を進めております。

これらの結果、保険引受収益31,290百万円(前連結会計年度比11.5%増)、資産運用収益420百万円(同16.8%減)などを合計した経常収益は32,339百万円(同11.6%増)となりました。一方、保険引受費用21,771百万円(同14.8%増)、営業費及び一般管理費8,479百万円(同16.6%増)などを合計した経常費用は30,486百万円(同14.6%増)となりました。この結果、経常利益は1,853百万円(同21.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,320百万円(同15.3%減)となりました。

3.2018年度の取組み

2018年度におきましては、ペット保険事業の拡大を継続し、新規事業の果実を確かなものとすることに注力します。そのために、以下の重点施策に取り組んでまいります。

1つ目の施策は、「ペット保険のさらなる収益力向上」です。
アニコム損保におけるペット保険の保有契約件数は約70万件ですが、当社のみならずペット保険自体の普及率は必ずしも高いとは言えず、成長途上の市場であると認識しております。また、ペットの飼育頭数が逓減するというデータもある中、ペット保険会社が増えていることから厳しい競争環境となっており、今後もさらなる競争が続くことが予想されます。今後、動物の健康保険制度として社会に広く認知・活用されるよう、魅力ある保険を提供し続けるとともに、他社の保険商品との優位性を打ち出していくことが急務であると考えております。また、最重要ターゲットであるペットショップチャネルとともに、既に飼育されているペットをターゲットとした一般チャネルへ注力する販売戦略を継続します。特にWEB等の直販チャネルの拡大や、ペットショップ以外のチャネルの開拓といった規模拡大に向けた方針を引き続き推進します。
ペットショップ以外のチャネルとは、ブリーダーチャネルや、保護犬・猫の譲渡会、トリミングサロン等その他動物関連施設での対面販売であり、この点の営業力をさらに強化していきます。
加えて、これらの顧客特性にあった商品や、付帯サービスの開発を行い他社とのさらなる差別化を図ります。

2つ目は、「予防に向けた取り組み強化(新規事業の果実を確かなものに)」です。
当社の創業からの思いである「予防型保険会社」の実現に向け、これまでも数多くの取り組みを行ってまいりましたが、これまでに投資を進めてきた人材・設備・データを活用し、1つでも多くの傷病を1秒でも早くなくすことができるよう、引き続き取り組んでまいります。特に、遺伝病撲滅に向けては、遺伝子解析といった科学・技術・データに医療サポートを加えたブリーディング支援を行うとともに、遺伝病発症予防の事業化を行ってまいります。
また、従来から行ってきた、ペットの腸内フローラ検査に関しては、世界トップクラスの研究データを有しており、この成果とペットの生活習慣に関するデータベースをあわせて、腸内フローラ検査による健康診断の普及、共生細菌をキーにしたフード開発、生活習慣コンサル等を事業化し、収益に繋げてまいります。
さらに、動物医療における高度先進医療(細胞治療、再生医療)を実用化し、拡大を図ります。また、カルテ管理システム事業の拡大(予約システム等の機能の充実)等とあわせ、データのさらなる活用による予防法の開発、ペット関連事業の海外展開を目指し、動物医療の発展に寄与してまいります。

4.ペットの生涯すべてと接するインフラプレーヤーとして

現代社会において、わたしたち人間とともに暮らす動物は「家族の一員」であることはもちろん、隣に寄り添うだけで心の豊かさをもたらし、明日への大きな活力を与えてくれる存在となっています。それはまさに、わたしたち人間にとって「心の発電所」とも言える存在です。
当社グループでは、そのような家族であり心の発電所でもある動物がケガや病気をせず、長く健康に幸せに暮らせる社会を創り上げることは、わたしたち人間に長く活力を与え、社会の発展に貢献するものであると捉え、すべての命の幸せを追求してまいります。
そのためにも、単なる保険会社グループではなく「ペットの生涯すべてと接するインフラプレーヤー」の確立に向けた足取りを加速させ、動物業界における川上から川下までを発展的に繋ぐよう今後とも取り組んでまいる所存です。

今後も動物病院全体の発展に向けて、グループ役職員一丸となって、より一層の努力を重ねてまいる所存でございますので、引き続き株主のみなさまのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。